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上司が従業員のモチベーションをあげるために必要な、たった6つの工夫

はじめに

従業員の仕事に対するモチベーションを上司の皆さんはどのように推測していますか?
「やる気がありそうだ」「なんとなくテンションが低く見える」など、あやふやにしか把握できないものと思っていませんか?
実は仕事に対するモチベーションはストレスチェックの結果から定量的に確認できるのです。
ここで注目すべき項目は「ワーク・エンゲイジメント」。
「ワーク・エンゲイジメント」とは、仕事のやりがいや熱意などを表すもので、モチベーションとほぼ同じ意味と考えて差し支えありません。
つまりストレスチェック結果のうち、「ワーク・エンゲイジメント」の項目が良ければ、仕事に対するモチベーションが高い状態といえます。
今回は、ストレスチェックのデータをもとに、どうしたらワーク・エンゲイジメントを改善できるか、仕事に対するモチベーションを高められるかをわかりやすく解説します。

6つの工夫で仕事のモチベーションが上がる

いきなりですが、結論から先にご紹介します。
ストレスチェックのデータからは、ワーク・エンゲイジメントの改善、仕事に対するモチベーション向上には、次の6つが重要であると判明しています。

<上司の行動、態度>
1)従業員に対して誠実な態度で対応する
2)従業員の長所をのばすための機会を設け、積極的にほめる
3)従業員が失敗しても、挽回するためのチャンスをつくる
4)従業員が自覚している適性を尊重する
<職場環境>
1)従業員同士が互いに理解し、認め合うことのできる環境をつくる
2)正規、非正規問わず、従業員を職場の一員として尊重する

羅列すると「当たり前のことじゃないか」と感じる方もいるかもしれません。
しかしこれらを実行できているかというと……なかなか難しいのではないでしょうか。
これらを踏まえ、上司が従業員のモチベーションを上げる6つの工夫を一つずつみていきます。

「6つの工夫」をデータでひも解く「上司の行動、態度」編

(1)従業員に対して誠実な態度で対応する

ストレスチェックのデータ(図1、図2)を見ると、「ワーク・エンゲイジメントの高い人」のうちおよそ95%が、「上司は誠実な態度で対応してくれる」という設問で肯定的な回答(「そうだ」「まあそうだ」)をしていることがわかります。

(図1)

(図2)

誰もが気持ちの良いコミュニケーションを行いたいと思うものですが、その際、「誠実」であるかどうかも重要になってくるということです。

<具体的な改善方法>
・ 意識向上に向けた管理職研修などを導入
・ 上司のコミュニケーション術向上を図るセミナー開催 など

(2)従業員の長所を伸ばすための機会を設け、積極的にほめる

ストレスチェックのデータ(図3~図6)を見ると、「ワーク・エンゲイジメントの高い人」のうちおよそ95%が「仕事で自分の長所をのばす機会があると感じている」という設問で肯定的な回答(「そうだ」「まあそうだ」)をしていることがわかります。
また、「努力して仕事をすれば、ほめてもらえると感じている」という設問でも、およそ92%が肯定的な回答(「そうだ」「まあそうだ」)をしていました。

(図3)

(図4)

(図5)

(図6)

自分の長所が活かされると自信を持つことができますし、自己効力感も向上します。
加えて、努力に対して称賛されるということは、自分にどのような頑張りが求められているかということが把握でき、目標を定めやすくなるといえます。
やるべきことが明確にわかり、自信を持つことで、ワーク・エンゲイジメント向上が期待できるのでしょう。

<具体的な改善方法>
・ 個別面談などを通して従業員が自覚している長所を上司が把握し、業務に活かしたり適切にフィードバックしたりする
・ 評価基準や教育体制を従業員が把握できるよう明示する
・ 上司は従業員の良いところを探し、積極的にほめる
・ 上司の褒め術を向上させる など

ストレスチェックのデータをひも解くと、職場環境改善に必要な取り組みを知ることができることがわかりますね。

(3)従業員が失敗しても、挽回するためのチャンスをつくる

ストレスチェックのデータを見ると、「ワーク・エンゲイジメントの高い人」のうちおよそ94%が、「失敗しても挽回するチャンスがある職場だ」という設問で肯定的な回答(「そうだ」「まあそうだ」)をしていることがわかります。(図7、図8)

(図7)

(図8)

頭ごなしに責められると人は委縮してしまい、失敗を隠したり、ともすれば事なかれ主義に陥ったりしがちです。
つまり、部下の失敗は上司の責任と考え、組織として失敗を未然に防ぐ対策を検討するなど、失敗させない環境づくりが大切です。

<具体的な改善方法>
・ 頭ごなしに失敗を責めない
・ 失敗した時は、今後の成功につなげるため振り返りを行う
・ 失敗を防ぐための対策を講じる など

(4)従業員が自覚している適性を尊重する

ストレスチェックのデータを見ると、「ワーク・エンゲイジメントの高い人」のうちおよそ98%が、「仕事の内容は自分にあっている」という設問で肯定的な回答(「そうだ」「まあそうだ」)をしていることがわかります。(図9、図10)

(図9)

(図10)

上司の方は、従業員それぞれの適性を判断して業務の割り振りを行っているでしょう。
しかし、もしかしたら本人は「この仕事は自分に合ってない」と思っているかもしれませんね。
ワーク・エンゲイジメントの高い人は、自分に割り振られている仕事が「合っている」と捉えているようです。
つまり、組織の評価と自身の認識に乖離がないということですね。

<具体的な改善方法>
・個別面談などを通して従業員の希望や考えを聞き、評価とのすり合わせを行ったり業務分担に活かしたりする
・汎用性のある評価基準を作成する など

非常に関心高い特徴ですね。

「6つの工夫」をデータでひも解く「職場環境」編

続いては、「職場環境」の工夫が仕事のモチベーションに重要な理由をストレスチェックのデータからひも解くとともに、その工夫を実行するうえでの具体的な方法をご紹介します。

(1)従業員同士が互いに理解し、認め合うことのできる環境をつくる

ストレスチェックのデータを見ると、「ワーク・エンゲイジメントの高い人」のうちおよそ93%が、「私たちの職場では、お互いに理解し認め合っている」という設問で肯定的な回答(「そうだ」「まあそうだ」)をしていることがわかります。(図11、図12)

(図11)

(図12)

互いの存在や頑張りを認め、理解し合っていることがわかります。
互いの心掛けが必要なのでしょう。

<具体的な改善方法>
・ 職場内での相互理解を促進させるため、部署紹介、従業員紹介などを行う
・ コミュニケーションに関わる研修を開催する など

(2)正規、非正規問わず、従業員を職場の一員として尊重する

ストレスチェックのデータを見ると、「ワーク・エンゲイジメントの高い人」のうちおよそ93%が、「職場では、(正規、非正規、アルバイトなど)色々な立場の人が職場の一員として尊重されている」という設問で肯定的な回答(「そうだ」「まあそうだ」)をしていることがわかります。(図13、図14)

(図13)

(図14)

立場の別で対応を変えず、可能な限り公平に関わることが望ましいということですね。

<具体的な改善方法>
・ 正社員に対して行っていること(個別面談、業務体制整備)を雇用形態にかかわらず全従業員に実施する
・ 上司が自ら従業員に対して公平に振る舞うなどして、職場全体の意識づくりを心がける など

モチベーションを上げることで期待できる3大効果

部下のモチベーションを上げるための6つの工夫を進め、従業員のワーク・エンゲイジメントが向上することで次の3つの変化が期待できます。

1)従業員は仕事におけるストレスが減り、物事に集中できるようになる
2)従業員は仕事に満足感を得られるようになる
3)従業員は仕事からエネルギーをもらい、私生活も充実できるようになる

これらはストレスチェックのデータにおいて、「ワーク・エンゲイジメントの高い人」のうち9割以上に見られた特徴でした。
ワーク・エンゲイジメントを高める、つまり、仕事へのモチベーションを向上させることは、従業員のストレス状態を改善させることにもなるようです。
仕事のモチベーション向上だけではなく、高ストレス者率の減少をねらってワーク・エンゲイジメント向上に取り組むことも有効ですね。

調査対象:ドクタートラスト・ストレスチェック実施サービス2019年度受検者の一部
対象受検者数:66,457人

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