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【第2回】ストレスチェックから年代別の従業員のストレスを考える

前回のおさらい

2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法により、65歳までの確保の義務化に加えて、70歳までの就業確保措置が努力義務となりました。これからの企業では、10代から70代といった幅広い世代が同じ場所で働くことが当たり前になっていくでしょう。しかし、同じ場所で働いているといっても、年代ごとによって考えていること、思っていることはまったく異なります。
シリーズ「ストレスチェックから定年延長後の従業員のストレスを考える」第1回ではストレスチェックで算出される全尺度を年代別に整理、比較をしてまいりました。20代はストレス反応が高く、逆に60代はストレス反応がとても低く良好だったことが特徴的でした。
今回はこのうち60代の結果を見ていきます。
第1回はこちらからご覧ください。

ストレスが少なく、ワーク・エンゲイジメントが高い60代

第1回でご紹介したように、60代は他の年代よりも心身のストレス反応が小さく、ワーク・エンゲイジメント(やる気)も高い傾向が見られました。長年働き続けると、なぜなぜストレスが少なくなっているのか気になりますよね。
ストレスチェック設問への回答分布から、60代のストレスが低く高いやる気を保てる理由として考えられる特徴が次のように出てきました。

①  ストレスが少なく仕事を進めることができる
②  肩の力を抜いて仕事を進められる
③  自分の仕事に愛着を持つことができる
④  仕事をすることで活気が得られる

①ストレスが少なく仕事を進めることができる

ドクタートラストで取り扱っているストレスチェックは57項目版と80項目版の2種類があります。
図1は共通設問「ゆううつだ」に対して良好な回答をした人と不良(好ましくない)な回答をした人の割合を示したものです。図1を見ると設問「ゆううつだ」で不良な回答をした人の割合が60代は他の年代にくらべておよそ2分の1にとどまることがわかります。
(図1)
仕事中でも60代は他の年代に比べて晴れやかな気分で仕事に臨めているのかもしれません。

②肩の力をぬいて仕事を進められる

図2は、57項目と80項目版の共通設問「一生懸命働かなければならない」の年代別回答分布です。60代は他の年代にくらべ良好な回答をした人の割合が大きいとわかります。
なお、設問「一生懸命働かなければならない」は「そうだ」と回答するほうが良いようにも一見思えますが、ストレスチェック上は「そうだ」と答えたほうがストレス状態は良くないと判断されます。
(図2)
60代の人は不真面目というわけではなく、程よく肩の力を抜いて仕事を円滑に進めているのかもしれません。

③自分の仕事に愛着を持つことができる

図3は80項目版のみの設問「仕事に誇りをもてる」の年代別回答分布です。この設問で60代は他の年代にくらべ良好な回答をした割合が高かったです。
(図3)
仕事に誇りを持てるということは、仕事に愛着を持っているともいえます。60代は他の世代とくらべて仕事にポジティブな感情を抱いているようです。

④仕事をすることで活気が得られる

図4は、80項目版のみの設問「仕事をしていると活気がみなぎるように感じる」への年代別回答分布です。この設問ではほかの年代が良好と回答した割合が3~4割にとどまっているなかで、60代では5割強が良好な回答をしていました。
(図4)
図4から、60代は、働くことが生活の張り合いにつながっていると感じているようです。仕事から活力を得て、生き生きと過ごしている様子がうかがえます。

今回は60代のストレスチェック結果を見ていきました。
年齢を重ねと、仕事の捉え方が総じて前向きになるとわかりました。
働いていると良いことも悪いこともありますが、定年の延長など今後は高年齢層も社会で活躍することが期待されるなか、これからも働き続けることが楽しみになりませんか?
次回は、若年層である20代のストレスチェック結果について詳しく解説します。

株式会社ドクタートラスト ストレスチェック研究所
コンサルタント 外山 佳季

<調査概要>
ストレスチェック実施期間:2019年4月1日~2020年3月31日
調査対象:ドクタートラストのストレスチェックサービスを利用したうち199,290名

調査対象年代別内訳
・20代:31,521名
・30代:40,891名
・40代:53,009名
・50代:36,706名
・60代:12,352名

57項目版尺度
仕事の量的負担、仕事の質的負担、身体的負担度、仕事のコントロール度、技能の活用度、職場の対人関係、職場環境、仕事の適性度、働きがい、活気、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感、身体愁訴、上司からのサポート、同僚からのサポート、家族や友人からのサポート、仕事の満足度、家庭の満足度

80項目版尺度
仕事の量的負担、仕事の質的負担、身体的負担度、仕事のコントロール度、技能の活用度、職場の対人関係、職場環境、仕事の適性度、働きがい、活気、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感、身体愁訴、上司からのサポート、同僚からのサポート、家族や友人からのサポート、仕事の満足度、家庭の満足度、情緒的負担、役割葛藤、役割明確さ、成長の機会、経済・地位報酬、尊重報酬、安定報酬、上司のリーダーシップ、上司の公正な態度、ほめてもらえる職場、失敗を認める職場、経営層との信頼関係、変化への対応、個人の尊重性、公正な人事評価、多様な労働者への対応、キャリア形成、ワーク・セルフ・バランス (ネガティブ)、ワーク・セルフ・バランス (ポジティブ)、職場のハラスメント、職場の一体感(ソーシャル・キャピタル)、ワーク・エンゲイジメント

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