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【第3回】ストレスチェックから年代別の従業員のストレスを考える

前回のおさらい

2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法により、65歳までの確保の義務化に加えて、70歳までの就業確保措置が努力義務となりました。これからの企業では、10代から70代といった幅広い世代が同じ場所で働くことが当たり前になっていくでしょう。しかし、同じ場所で働いているといっても、年代ごとによって考えていること、思っていることはまったく異なります。
シリーズ「ストレスチェックから定年延長後の従業員のストレスを考える」第1回ではストレスチェックで算出される全尺度を年代別に整理、比較、第2回では、今回はこのうち60代の結果を解説しました。
今回は、20代の結果を見ていきます。
第1回はこちらから、第2回はこちらからご覧ください。

ストレス反応が不良傾向にあるのは20代

第2回で紹介した60代の結果では「疲労感」や「抑うつ感」といったストレス反応が、他の年代とくらべて非常に良好でしたが、20代は対照的に他の年代にくらべ特に不良傾向にあります。
ストレスチェック設問への回答分布から、20代はストレス度合いが高い一方で所属先に対しての不満は少ないようです。
また、特徴としては以下の通りです。

①  疲労感が溜まっている
②  上司のリーダーシップに満足している
③  上司が誠実に接してくれていると感じている

ドクタートラストで取り扱っているストレスチェックは57項目版と80項目版の2種類があります。
まず上記の①についてですが、図1~3はストレスチェック57問版と80問版の共通設問「ひどく疲れた」「へとへとだ」「だるい」で不良な回答をした人の割合を示したものです。

(図1)

(図2)

(図3)

図1~3すべての設問で20代が最も不良な傾向にあることがわかります。特に設問「ひどく疲れた」は49.57%が不良な回答をしており、2人に1人が疲れを感じている状態にあます。
この他にも「抑うつ感」について同様の傾向がみられ、心身ともに他の年代にくらべ疲れている状態がうかがえます。

 

こんにちは。保健師の根本です。
20代の方は、「ひどく疲れた」「へとへとだ」「だるい」と感じている方が多いようですね。
この年代は、社会人となって一人暮らしを始めたり、新しい仕事を覚えるために帰宅時間が遅くなったり、生活リズム(食事や睡眠など)が崩れやすい年代でもあります。特に睡眠は心身の疲労を取るためにとても大切ですが、充分取れていな20代も多いのではないでしょうか。

睡眠は、心身の疲労を取るだけでなく、ホルモンバランスを調整したり、免疫力を上げたり、様々な役割がありますので、1日7.5時間以上睡眠を取るようにしましょう。
そのために、会社や管理職の方々は、業務の調整やサポートをすることも大切です。社員研修で、睡眠セミナーなどを実施して、正しい睡眠の知識を提供することも効果的ですよ。

株式会社ドクタートラスト ウェルネスサービス推進課
保健師 根本 裕美子

組織への不満は少なく、上司を信頼している傾向にある

② 上司のリーダーシップに満足している
③ 上司が誠実に接してくれていると感じている

続いて、上記②と③についてです。ストレス反応は不良傾向でしたが、会社や上司に対する設問ではほかの年代とくらべて良好な結果でした。
図4、5はストレスチェック80項目版のみの設問「上司は部下が能力を伸ばす機会を持てるように、取り計らってくれる」「上司は誠実な態度で対応してくれる」への年代別回答分布です。

(図4) (図5)

図4、5を見ると、どの年代も良好な傾向がみられますが、その中でも20代は特に上司関連の項目で最も良好な回答をしている割合が大きく、強い信頼感を寄せているとわかります。20代は他の年代にくらべて上司に頼ることも多いからと言ってしまえばそれまでですが、30代や40代になるにつれ最も良好な回答をする人は徐々に減っています。会社や上司に信頼感の強い20代のうちに、上司の方はぜひ良好な関係を築いていっていただきたいと思います。

株式会社ドクタートラスト ストレスチェック研究所
コンサルタント 外山 佳季

おわりに

全3回にわたり、ストレスチェック結果を年代別に解説しました。
特に20代と60代では大きく結果に違いがあったことがわかりました。今後の定年延長によって増えていくだろう60代はストレス度合いが少なく、仕事に愛着を感じていたり、程よく肩の力を抜いて仕事に取り組めていたりなど、長く働くことで得られるメリットを予感させてくれる結果でした。
自分自身の60代を想像しても、このような結果があれば安心できる材料の一つとなりそうですね。

<調査概要>
ストレスチェック実施期間:2019年4月1日~2020年3月31日
調査対象:ドクタートラストのストレスチェックサービスを利用したうち199,290名

調査対象年代別内訳
・20代:31,521名
・30代:40,891名
・40代:53,009名
・50代:36,706名
・60代:12,352名

57項目版尺度
仕事の量的負担、仕事の質的負担、身体的負担度、仕事のコントロール度、技能の活用度、職場の対人関係、職場環境、仕事の適性度、働きがい、活気、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感、身体愁訴、上司からのサポート、同僚からのサポート、家族や友人からのサポート、仕事の満足度、家庭の満足度

80項目版尺度
仕事の量的負担、仕事の質的負担、身体的負担度、仕事のコントロール度、技能の活用度、職場の対人関係、職場環境、仕事の適性度、働きがい、活気、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感、身体愁訴、上司からのサポート、同僚からのサポート、家族や友人からのサポート、仕事の満足度、家庭の満足度、情緒的負担、役割葛藤、役割明確さ、成長の機会、経済・地位報酬、尊重報酬、安定報酬、上司のリーダーシップ、上司の公正な態度、ほめてもらえる職場、失敗を認める職場、経営層との信頼関係、変化への対応、個人の尊重性、公正な人事評価、多様な労働者への対応、キャリア形成、ワーク・セルフ・バランス (ネガティブ)、ワーク・セルフ・バランス (ポジティブ)、職場のハラスメント、職場の一体感(ソーシャル・キャピタル)、ワーク・エンゲイジメント

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