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退職者を防ぐためにストレスチェックは有効!その理由とは?

高ストレスの先に退職がある?

ストレスチェックでは「ストレスの自覚症状が高い人や、自覚症状が一定度あり、ストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪い人」を「高ストレス者」と判定します。
ドクタートラストが2020年度にストレスチェックを受検したおよそ24万人分のデータ(以下、2020年度ストレスチェックデータ)を分析したところ、以下の5設問に「ちがう」と回答したうちの半数以上が高ストレス者と判定されていることがわかりました。

<「ちがう」と回答したうちの半数以上が高ストレス者と判定された設問>
A14 職場の雰囲気は友好的である
C48 同僚はどれくらい気軽に話ができますか
F66 上司は誠実な態度で対応してくれる
F68 失敗しても挽回するチャンスがある職場だ
H77 職場で自分がいじめにあっている(セクハラ・パワハラを含む)

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これら5設問は高ストレス者判定と結びつきが強く、「高ストレス者を生み出す原因、要素」と考えられます。
また、高ストレス者に対しては、その後なんのケアもせず放置しておくと、以下のような経過をたどり、退職してしまう可能性があります。

<高ストレス者の経過>
高ストレス状態 → 心身の不調 → モチベーション低下 → 生産性低下 → メンタルヘルス不調 → 退職

つまり「高ストレス」を防げば、退職を防ぐと言えるのではないでしょうか。
今回は、ストレスチェックの結果を基にして、高ストレスを防ぐ、ひいては退職者を減らすために企業ができることをわかりやすく解説します。

離職理由と、高ストレス者の選定基準は酷似している

独立行政法人労働政策研究・研修機構が2017年に公表した「調査シリーズNo.164 若年者の離職状況と離職後のキャリア形成(若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)」によると、「離職理由」として、ライフイベントを除けば以下が上位に挙げられていました。

<離職理由>
・ 肉体的・精神的に健康を損ねた
・ 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった
・ 人間関係がよくなかった
・ 自分がやりたい仕事とは異なる内容だった

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出所元:独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.164若年者の離職状況と離職後のキャリア形成(若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)」86頁

また、ストレスチェックの高ストレス者判定は、一般的に以下の①および②に該当する、おおむね全体の10%程度を選定します。

①「心身のストレス反応」に関する項目の評価点の合計が高い者
②「心身のストレス反応」に関する項目の評価点の合計が一定以上であり、かつ「仕事のストレス要因」および「周囲のサポート」に関する項目の評価点の合計が著しく高い者

「離職理由」として上位に挙がっているのは、高ストレス者選定基準となる3領域(心身のストレス反応、仕事のストレス要因、周囲のサポート)と非常に似通っており、これは、先にご紹介した「高ストレス者の経過」から納得できるものと考えられます。

では、どのような職場環境であれば、高ストレス者、そして退職を防ぐことができるのでしょうか。

従業員の望みは、「個人の尊重性」と「キャリア形成」

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2020年度ストレスチェックデータによると、従業員の仕事の満足度を高めるために優先して改善すべき職場環境ランキングの上位は、以下のとおりでした。

<優先して改善すべき職場環境ランキング>
1位:個人の尊重性
2位:キャリア形成
3位:尊重報酬

3位の「尊重報酬」は、「上司や同僚から、仕事上の努力や達成度にふさわしい尊敬や処遇を受けていること」を意味し、広義には「個人の尊重性」とい捉えられます。
つまり、従業員の仕事満足度を高めるうえでは「個人の尊重性」「キャリア形成」の改善が何より重要なのです。

「個人の尊重性」と「キャリア形成」を問う12の設問に着目しよう

以下では、「個人の尊重性」と「キャリア形成」を詳しく見ていきます。

1.個人の尊重性

「個人の尊重性」は、一人ひとりの長所や得意分野、価値観などを考えて仕事が与えられる風土や方針があることを指し、ストレスチェックにおいては以下の5設問から導出します。
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2.キャリア形成

「キャリア形成」は、従業員のキャリアについて、人事方針や目標が明確にされ、教育・訓練が提供されていることを指し、以下の7設問から導出します。

<キャリア形成>
A11 自分の技能や知識を仕事で使うことが少ない
A16 仕事の内容は自分に合っている
A17 働きがい(働く意義)のある仕事だ
E60 自分の職務や責任が何であるか分かっている
E61 仕事で自分の長所をのばす機会がある
F65 上司は、部下が能力を伸ばす機会を持てるように、取り計らってくれる
G74 意欲を引き出したり、キャリアに役立つ教育が行われている

また、キャリアは厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書において、以下のように定義づけられています。

「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳されます。

引用元:厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書

つまりキャリア形成は、職業経験だけでなく、仕事に取り組むプロセスの中で身につける知識・技術、それに人間性を磨いていくことやプライベートも含めた自分自身の生き方を磨いていくことといえ、職場の取り組みとして以下が欠かせません。

・ 人事評価制度などを通じて、「個人に求める能力」を知らせること
・ 職業ニーズと個人の能力とのマッチング
・ 職業は、従業員個人の自己実現を図るための手段であるという認識をもつこと

最後に

キャリアを形成していくうえでは、自分の能力、価値観、存在が認められ、なおかつ活かせる場も必要で、結果的に「個人の尊重性」にもつながることから、両者は両輪のような存在といえます。

高ストレス、退職者を防ぐうえで何から着手すべきかお悩みの企業は、ぜひ「個人の尊重性」「キャリア形成」に注目した職場環境改善に取り組んでみてください。

DL

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