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生産性を高めるために上司が伝えるべきこと3つ

最終更新日 2023-01-10

生産性を高めるうえで非常に重要なコミュニケーション。
人材育成・組織開発コンサルティングサービス「STELLA」でも、コミュニケーションを軸とした研修を多数取り入れています。
コミュニケーションとは「情報伝達(知覚・感情・思考)」をいい、「いかに“きくか”」、「いかに“伝えるか”」を指します。

上司のみなさまは、部下に的確に「伝える」ことができているでしょうか。
部下の立場のみなさまは、上司から常日頃、的確に「伝えられている」でしょうか。

今回は、コミュニケーションのうち、チームの生産性を高めるために上司が「伝えるべきこと」を3つお伝えします。
「きくこと」は、過去記事をご覧ください。

チームの生産性を高めるために上司が「伝えるべきこと」3つ

チームの生産性を高めるために上司が「伝えるべきこと」は①ビジョン、②役割、③フィードバックの3つです。
以下ではそれぞれを詳しく解説します。

①ビジョンの共有

ビジョンとは、「理想像、展望、見通し」を意味します。
目指すゴール、ありたい姿、どのようなチームにしたいのかなどの認識をチーム内で統一させるため、上司としての意志を部下に共有することが必要です。
なお、ここでのビジョンとは「年間目標や、半期に一度発表する」たぐいのものではなく、そうした目標を達成させるために、どのように進んでいくか、いわば戦略となる指針を指します。

ビジョンを共有することで、働く意義や目指すところが明確になるだけでなく、チームで働く楽しさや目標を達成したときのやりがいや感動がより深まるはずです。
現場のリーダーがどのような考えなのかを常日頃「伝える」ことで、チームの足並みがそろい進むべき道がクリアとなるでしょう。

②役割の付与・明確化

チーム内の一人ひとりに明確に役割を与えることが大切です。
①の目指すビジョンに対して「チーム内であなたにはこの任務をお願いしたい」「あなたにしかできない役割がある」と繰り返し伝えること、およびチーム内での共有が大切です。

ストレスチェックでは、問59、60に以下の設問が設けられています。

問59:複数の人からお互いに矛盾したことを要求される(役割葛藤)
問60:自分の職務や責任が何であるか分かっている(役割明確さ)

複数の人から矛盾したことを要求されたり、自分の職務や責任が何であるか不明瞭であったりする状況は、大変にストレスフルなもの。
「役割が明確であること」は、メンタルヘルスの観点からも重要な指標です。
多くの上司は仕事ができる人に仕事を集中させがちです。

しかし、日々変化する仕事の内容や質・量により、チーム内での役割を適切なタイミングで変動させることは、生産性を高め、業務量の偏りを是正するうえでもマネジメント層にとって必須のスキルです。

また、この役割は、本人だけでなく、チームメンバー全員がお互いに理解をしていることが重要となります。
それにより、一人ひとりの存在意義がより明確となり、苦手なことを教えてもらう、あるいは得意なことに磨きをかけるなど、チーム一丸となってビジョンに向かう意識が生まれやすくなるのです。

③適切なフィードバック

フィードバックとは、相手の行動に対して良い点・改善点などの評価を伝え、軌道修正を促すことです。
①のビジョンに基づいて、②の役割を与え、それに対してフィードバックをする、この3つセットの流れが重要です。

なお、フィードバックを適切に行うポイントは、相手が納得できる説明に加えて、ポジティブな賞賛を必ず伝えることです。
特に賞賛は、人間の大原則「わかってもらいたい」「認めてもらいたい」という承認欲求を満たす行為となり、信頼関係構築にもつながります。

★POINT★必ず3つセットで、常日頃継続して伝え続けることが重要!

一度伝えたから大丈夫、言わなくても分かる、というのは危険です。
人間は言葉にしないと伝わらないし、忘れる生き物だからです。

① ビジョンの共有
② 役割を付与・明確化
③ 適切なフィードバック

これらを継続するとチームの生産性が向上してきます。
また、さらに次のような効果が出てくるといいます。

・ 仕事の意味がわかるようになる
・ より個人的に仕事に意義や価値を見出す
・ 使命感を持つ
・ 困っている人を自ら助ける
・ どんどん新しい発想ができるようになる
・ 仕事に誇りをもち、自らキャリアを目指していく
・ 個人を尊重されているため、自己肯定感・ゆるがない自分が備わる

主体的

このようにチームメンバー各々が主体的に行動を起こすようになると、メンタルヘルス不調とは対極の状態ですね。

さいごに

職場環境改善は、特別なコストや時間をかけて行わなければならないものではありません。
上司が適切に情報伝達をすることで、メンバーが持っている力を最大限引き出し、チームに変化をもたらすことも可能なのではないでしょうか。

DL

<参考>
・ 向日恒喜「職場における心理的居場所感が知識獲得行動に与える影響」(一般社団法人経営情報学会「全国研究発表大会要旨集」2019年)

執筆者

【保健師】高橋 さなえ
【保有資格】保健師/看護師/公認心理師/第一種衛生管理者/人間ドック健診情報管理指導士/産業カウンセラー/上級心理カウンセラー
【コメント】ドクタートラスト創業初期メンバーの一人。保健師や公認心理師の目線を活かしてコンサルタント・研修講師として活動中。ストレスチェックは、個人だけのためのものでなく組織の成長や生産性向上に欠かせない重要なツールです。みなさまが思う目指す職場像に近づけるよう、役立つ情報をわかりやすく発信していきます。

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執筆者

【保健師】高橋 さなえ

【保有資格】保健師/看護師/公認心理師/第一種衛生管理者/人間ドック健診情報管理指導士/産業カウンセラー/上級心理カウンセラー
【コメント】ドクタートラスト創業初期メンバーの一人。保健師や公認心理師の目線を活かしてコンサルタント・研修講師として活動中。ストレスチェックは、個人だけのためのものでなく組織の成長や生産性向上に欠かせない重要なツールです。みなさまが思う目指す職場像に近づけるよう、役立つ情報をわかりやすく発信していきます。

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