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<職場環境とワーク・エンゲイジメントを考える>第2回:非言語コミュニケーションが職場環境を作る

本シリーズ第1回目で、テレワークの導入がワーク・エンゲイジメント向上に寄与する旨をお伝えしましたが、他方、テレワークによるコミュニケーション面の課題も決して無視できません。
こうした課題はどのようにして解消していったらよいのでしょうか。
新年度に向けて今後どのような職場環境を目指すべきか、実際の事例をご紹介しながらわかりやすく解説します。

↓ 前回の記事はこちら ↓

テレワークの課題は「コミュニケーション空間の断絶」に起因

前回取り上げたテレワークの課題は以下の通りです。

① 社内状況の不透明化
② 新人の孤立
③ 人事評価

これら課題は「コミュニケーション空間の断絶」によって発生しています。
①社内状況の不透明化は、出勤していることにより無意識のうちに認識されていたはずの「社内での自部署や他部署での動き」を把握できなくなってしまったこと、②新人の孤立は、目の前に着席していた先輩社員がいなくなったために情報を得る手段が減少したこと、そして③人事評価は、上司の反応を受け取りづらくなったことが原因といえるでしょう。
そのためテレワークでは、対面で仕事をするときよりも丁寧なコミュニケーションが求められます。

以下では、各課題を解決した企業事例をみていきます。

① コミュニケーションを取りやすくする職場づくり

まずはコミュニケーションを取りやすくするための施策として、会社全体のレイアウトを変更した企業をご紹介します。
この企業では、今後もテレワークは継続するという経営方針を固めたため、従来の固定席を撤廃し、フリーアドレス型へと変更しました。
これにより他部署の人にも声をかけやすくなり、従業員のコミュニケーションが、よりさまざまな方向へと延びることにつながりました。

また、テレワーク中に同僚とやり取りするのが苦手な人への手当として、朝会や夕会などを行うようにし、画面越しに互いの様子が見られる時間を作りました。
朝会、夕会では「いつでも雑談をしていい」という認識を共有するなど、さまざまな工夫を取り入れています。

② 新人を孤立させない職場づくり

テレ―ワークで新人が孤立する原因は
「(先輩や上司に)いつ聞いていいのか、質問していいのか」
「自分のことをどう思っているのか」
がわかりづらいことにあります。
つまり、この点を改善することが新人の孤立解消への近道といえます。

第一段階として、上司側がいかに細かく行動管理できるかどうかがポイントでしょう。
この課題を解決した企業では、新人の目標設定をできるだけ細分化し、チャットツールを用いて頻回に進捗を報告させることで、強制的なコミュニケーションの機会を創出しました。
また、チャットツールでのやり取りであっても、「会話形式」でコミュニケーションが行われることで、自分の進捗を正確に把握してもらえているという安心感を新人が抱き、「上司への信頼感が高まる」副次効果も見られました。

③ 腹落ち感の高い人事評価づくり

人事評価の課題を解決した企業では、「人事評価のしくみが問題ではない」点に気づきました。
人事評価の軸には成績以外、たとえば勤務態度や貢献度など、印象によるものも多く含まれます。
しかしテレワークでは評価する側、される側は、物理的に離れた場所で働いているため、こうした「印象によるもの」に不信感が高まりがちです。

「こう思った、こう感じた、だからこう評価した」

評価される側が腹落ちするような「評価の理由」を相手に伝えられるかがポイントです。
テレワーク導入に合わせて人事評価を根底から見直した企業が少なくない中、この企業では、評価の軸は変えず、フィードバックを従来以上に重視するようにしました。

失われたのは「非言語コミュニケーション」だけ

オンライン会議システムや朝会、夕会も取り入れているし、適宜フィードバックもやっているのにコミュニケーションが少ない……と不足感を抱いている方は、もしかすると、これらの施策の「本質」を気づけていないことが原因かもしれません。
テレワークによって失われたものはコミュニケーションすべてではなく、そのうちの一部である「非言語コミュニケーション」です。

非言語コミュニケーションとは言葉を使わないコミュニケーションのことで、雰囲気や態度など、言葉以外で発されるものを指します。
自分は好意的に接してもらっているかどうか、忙しそうだから今は話しかけないほうがいいなど、言葉によらない情報はたくさんあります。
特に日本人は空気を読む傾向が強く、「テレワークではコミュニケーションが取りづらい」と感じてしまいがちです。

↓ 非言語コミュニケーションは以下の記事で解説しています ↓

非言語コミュニケーションの言語化とは

テレワーク時のコミュニケーションに悩む企業は、以下の点を意識して「非言語コミュニケーションの言語化(可視化)」を図ってみましょう。

① 積極的な状況や予定の共有
② レスポンス速度
③ 会議などでのビデオ活用

① 積極的な状況や予定の共有

たとえば「手が空いているのでいつでも話しかけてほしい」という態度は、今までは言葉にしなくとも相手に伝わっていました。
しかし、テレワークでは待っているだけでは伝わりません。

そこでぜひ活用してもらいたいのが、コミュニケーションツールのステータス欄(会議中、ビジー、不在、在席など)や絵文字です。
また、1日のスケジュールをざっくりと共有カレンダーに入れておく方法もおすすめです。
スケジュールに「質問受付タイム」など、声をかけやすくなる時間を作るのも効果的です。
ほかにも朝会で近況報告コーナーを設けて、意識的に雑談を取り入れるのもいいでしょう。
「自分が知っていることを相手は知らないものだ」前提に、自発的な発言を促す雰囲気づくりが大切です。

② レスポンス速度

チャットツールであっても、話しかければそれは「会話」です。
返事がなければ、「もしかして迷惑だったのだろうか……」と送り主にモヤモヤとした感情を抱かせてしまいます。
「少しお待ちください」という返事でも構いません。
チャットツールでのコミュニケーションのため、「自分の空いているタイミングで返せばいいや」と思っているのであれば、ぜひ改善をし、なるべく早めに返信してみましょう。

ただし、「自分はすぐに返信したのだから、相手もすぐに返すべきだ」と強要はやめましょう。
あくまで「自分が発する非言語コミュニケーション」の円滑化だけに注力するよう意識してください。

③ 会議などでのビデオ活用

画面越しとはいえ、表情にはさまざまな情報が含まれます。
真剣に聞いてくれているか、どう感じているか……。
打ち合わせではカメラをオンにしましょう。
特に複数人と会話する際にこそ、より対面に近い状態を作り出すことを心掛けてください。
ビデオ通話だと化粧をしなくてはいけない、服装をきちんとしなくてはいけないなど、準備の手間から反対する人もいるかもしれません。
個人的には、それぞれが思うままの服装で参加し、雑談の中でポジティブな話題に転換できるような会議の雰囲気作りをおすすめします。

ここでご紹介した施策はわずかな労力でできることです。
コミュニケーションだけではなく「非言語コミュニケーション」をどれだけ発信できているかに注目して、より生産性の高いテレワーク導入に努めましょう。

DL

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