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健康経営にストレスチェックは欠かせない!活用事例を紹介

従業員の健康管理を経営的な視点で考えて実践する「健康経営」は、企業に求められる責任の一つとして無視することのできない存在です。
しかし、ストレスチェックがそうした健康経営の足掛かりとなることはまだあまり知られていません。
そこで本日は健康経営に取り組むにあたってのストレスチェック活用方法を、活用事例とともにご紹介いたします。

健康経営は企業の社会的責任のひとつ

健康経営とは、従業員の健康管理やメンタルヘルス対策に取り組み、従業員がいきいきと継続的にはたらきやすい環境を整備することです。従業員の健康に軸を置いた取り組みは、今や社会的責任として不可欠といえます。

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。
健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つです。
出所元:経済産業省「健康経営」

また、経済産業省と日本健康会議では、優良な健康経営を実践している法人を認定する「健康経営優良法人制度」を2016年度から共同で実施しています。
直近では2022年3月9日に「健康経営優良法人2022」が発表され、大規模法人・中小規模法人合わせて14,554法人が日本健康会議より健康経営優良法人の認定を受けています。
健康経営優良法人に認定されたうち上位500法人を認定するホワイト500(大規模法人部門)やブライト500(中小規模法人部門)も含め、就活生をはじめ求職者が企業を選ぶ際の指標としても浸透しつつあります。

健康経営を実現するためにまず必要なことは?

超高齢化に伴う労働人口減少が問題となるなか、継続的に働くことができる従業員の確保は企業の成長や生産性向上に必要であり、そのためにも健康経営は欠かせません。
では、どのように健康経営を目指せばよいのでしょうか。
その際、参考になるのが「健康経営優良法人」に認定項目で、以下の施策の実施が求められます。

<健康経営で実施する施策>
① 従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討
健康経営を行うにあたっての具体的な計画を立てているかどうかに合わせて、健康診断の実施や受信勧奨への取り組みを適切に行っているかどうか。さらにストレスチェックの実施が求められます。
従業員の健康やメンタルヘルスに対して、早期発見や早期対応ができるしくみづくりがポイントです。
② 健康経営の実践に向けた土台づくり
従業員に対するヘルス・リテラシーへの教育の実施し、意識向上に努めること。ワークライフバランスの推進し、従業員が無理なく働ける体制づくりを行っていること。職場の活性化、とくにコミュニケーション促進などの取り組みを行うことができているか。そして病気の治療と仕事の両立を支援できるような土台づくりが求められます。
③ 従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策
ただ健康診断を実施するだけでなく、保健指導を適切に実施しているか、また運動の機会増加や食生活の改善など、従業員の日々の健康を守るための具体的な取り組みを実施しているか。ほかにも感染症に対しての予防対策。喫煙対策の実施など、従業員の健康寿命を延ばすための機会やサポートが実施できているかがポイントです。

健康経営優良法人の認定を受けるためには、多くの「やるべきこと」が存在し、どこから始めるべきか迷うケースもあるでしょう。健康経営をこれから実現させていこうと考える企業に、まず着手すべきポイントを3つご紹介します。

産業医・産業保健師などの専門家を選任

健康経営を実現させるうえでは、産業医、産業保健師の選任が欠かせません。
産業医とは、医学に関する専門的な立場から職場で労働者の健康管理等を行う医師のことを指し、労働安全衛生法13条では、従業員数50名以上の事業場には産業医の選任が義務づけられています。
また、産業保健師とは、産業医や人事部門の人たちと協働で、その企業で働く人たちの心身の健康維持に取り組む保健師を指します。
産業医、産業保健師といった専門家の力を借りることで、休職・復職の判断はもちろん、日々のメンタルヘルスケアや健康管理など、健康経営の基盤をスムーズに整えることができます。

社内の体制整備

さらに、衛生委員会の設置など社内の体制整備も進めていきましょう。
健康を害した人のケアをする、メンタル不調者が出たら対応するなどのような事後対応ではなく、「未然防止」の視点から、常に健康経営につなげることができるような社内の体制整備が重要です。
従業員数50名以上の事業場には産業医の選任と同様、衛生委員会の設置が労働安全衛生法18条で義務づけられています。衛生委員会の目的は労働災害防止ですが、インフルエンザや食中毒などの注意喚起や、ストレスチェックに基づく職場環境改善、従業員の日常的な健康管理について話し合うなど、さまざまな健康経営施策を行う場としても機能します。
また、衛生委員会とあわせて健康経営の担当部署設置、ストレスチェック実施担当者を選任するなど、会社として健康管理に取組み続ける体制を整えておくことが大切です。

ストレスチェック制度の導入

何より大切なのがストレスチェック制度の導入です。
ストレスチェックとは、労働者がストレスを自覚しセルフケアに活かす、また企業は集団分析結果を分析し職場環境改善に活かすことでメンタル不調を未然防止する取り組みで、産業医の選任や衛生委員会の設置同様、従業員数50名以上の事業場に実施が義務づけられています(労働安全衛生法66条の10)。
しかし、現在ではストレスチェックの重要性が浸透し、厚生労働省「令和2年労働安全衛生調査(実態調査)」によれば、メンタルヘルス対策に取り組んでいる従業員数10~29名の企業のうち、ストレスチェックを実施している企業が52.7%、また、同30~49名の企業であれば62.4%が実施しています。
ストレスチェックがメンタルヘルス対策において一定の効果を示すことが浸透しているといえます。
最近ではストレスチェック制度開始時に使われていた57問の質問票ではなく、23問を追加した、80問の質問表が主流となってきています。
追加した設問群に回答してもらうことで、上司のマネジメントや、従業員のエンゲイジメントといった項目の状況も把握でき、職場環境改善により活かしやすくなっています。
またストレスチェックでは、集団分析結果を部署ごとなどに分析し直すことも大切です。社内で全員が同じストレスを感じているのであれば、当然それは改善すべきです。しかし、実際には部署や職種、上司が違えば、課題も異なります。全社的な課題に取り組むだけでなく、結果を部署ごとに分析することで、ストレスチェックの結果に真の価値が生まれます。
さらに、ストレスチェックを他のデータと組み合わせてみることもおすすめします。たとえば残業時間のデータや、売り上げデータ、さまざまな尺度とストレスチェック結果を掛け合わせることで、より隠されたストレスが浮き彫りになります。
これら複合的な結果を踏まえて業務量などの見直し、残業時間削減にむけた取り組みを行いましょう。

ストレスチェック制度を健康経営に活用した事例

以下では、ストレスチェック制度を健康経営に活用した事例を、ドクタートラストがストレスチェックを提供している企業さまの取り組みのなかからご紹介します。

部署内の改善すべき課題が明るみになったケース

企業Aの高ストレス者率は13%程度で、さほど多くないと気に留めていませんでしたが、実は部署ごとに分析をかけたところ、1つの部署に高ストレス者の大半が集約されていることがわかりました。
そこで当該部署に対して改めて現状調査を実施。
実は人事が把握できていなかった、持ち帰り残業の風土ができあがっていることが発覚。
至急人員配置などを含めた調整を行うこととなりました。

エンゲイジメントの偏りが課題となったケース

従業員数が500名を超える企業Bでは、役員層は「自社の従業員は愛社精神が強く、会社のために嬉々として活躍をしている」と感じていました。また高ストレス者率が20%を超えていましたが、それは業績を出すために頑張っているためであると理解していました。
しかしドクタートラスト内のストレスチェック専門機関、ストレスチェック研究所が分析を行った結果、高ストレス者は20代の若手層だけでした。
また、役職別にみると管理職はストレスが低く、管理職直下の従業員はストレスが著しく高い状態であるとわかりました。
改めてマネジメントを見直し、ヒアリング、管理職向けの研修等を行うこととなりました。

低ストレス者が少なく、高ストレス者予備軍が多かったケース

企業Cでは高ストレス者率は10%を下回っており、皆が元気に働けている証拠だと考えていました。
しかし実は「低ストレス者層」が少なく、全社の63%が高ストレス者予備軍、ストレスを抱えていない人はほぼいない状態だとわかりました。
そこで、ドクタートラストの人材育成・組織開発コンサルティングサービス「STELLA」を導入し、いきいき働くことができるSTELLA人材の候補者となりうる社員をストレスチェック結果から抽出、そのSTELLA人材を育成することで、コミュニケーションの活性化などが達成でき、全社的なストレス軽減に取り組めるようになりました。

このようにストレスチェック結果を詳細に分析することで、企業内に隠れている課題を見つけ、職場環境改善に活かすことができます。

健康経営は企業にもメリットがある!

従業員の健康管理までなぜ企業が行わなくてはいけないのかと感じるかもしれません。しかし従業員の健康は企業にとっても多くのメリットがあるのです。

業務の生産性向上

健康経営に取り組むことで、生産性が向上するとした調査データがあります。
経済産業省「経済産業省における ヘルスケア産業政策について」によれば、健康経営に対する投資1ドルに対するリターンは3ドルとされています。
つまり、健康でいきいきと働ける職場環境を整えることは3倍の利益を生む可能性があると考えられます。

企業イメージの向上

また、健康経営に取り組むことは、企業イメージアップにもつながります。
昨今ではSDGsへの取り組みなどで企業のイメージアップを図るケースも増えてきました。
働く従業員がいきいき働いているということが「健康経営優良法人」の認定など客観的な指標で示せるようになると、ブランドイメージ向上、ひいては顧客獲得につながります。

優秀な人材の採用・定着

さらに、健康経営への取り組みは、人材の確保、定着につながります。
特に、優秀な人材であれば当然好条件で働くことを求めます。
こうした、人材を定着させるうえでも、働く人の健康を重視し、生き生きと働ける環境を整備する「健康経営」は欠かせません。

まとめ

今回は健康経営に取り組むにあたってのストレスチェック活用方法を、活用事例とともにご紹介しました。
ストレスチェックは健康経営を行うにあたって価値のあるデータを企業にもたらします。
ドクタートラストのストレスチェックは、部署ことの分析はもちろん、専門部署のコンサルタント・アナリストが貴社のデータを読み解き、隠された課題を浮き彫りにします。
職場環境改善を行うための足掛かりとして、そして健康経営の第一歩として、ストレスチェックをご活用ください。

DL

<参考>
・ 厚生労働省「令和2年労働安全衛生調査(実態調査)」
・ 経済産業省「経済産業省におけるメンタルヘルスケア産業政策について」
・ 経済産業省「健康経営の推進について」

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