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ストレス耐性から考えるストレスマネジメントとは?その先に見える将来性

ストレス耐性から考えるストレスマネジメントとは?その先に見える将来性

あなたにとって長期的に働いていくうえで大切なことは何でしょうか。
仕事のやりがいの人もいれば、会社への信頼度、コミュニケーション能力、はたまた安定した収入の人もいるかもしれません。
これらはすべて働くうえで必要な条件といえますが、「長期的な就業」と捉えて考えると最も重要なのは、「いかにストレスをためずに働いていけるか、また自身のストレスとの向き合い方をどのくらい理解しているか」でしょう。
今回は、ストレスをためない働き方やストレスとの向き合い方を、ストレスチェックのビッグデータからわかった現状とともにご紹介します。

6つの要素から構成されるストレス耐性~循環を織りなす~

一括りに「ストレス」で考えてしまうと、原因究明や対処は難しいものです。
そのため、ストレスを考えるにあたっては「ストレス耐性」の視点が重要です。
ストレス耐性とは「ストレスに耐えられる強さ」を指し、6つの要素から構成されています。
近年では、企業が求める人材の選定において要視される項目として「ストレス耐性」があげられ、耐性が高い人材は重宝される傾向にあります。

<ストレス耐性の6大要素>
① 容量:ストレスをどのくらいためられるか
② 処理:ストレスをどのくらい軽減できるか
③ 感知:ストレスをどのくらい感じ取ることができるか
④ 経験:ストレスを感じたときにどのように対応して改善していけるか
⑤ 回避:ストレスをどのようにうまくかわして割り切れることができるか
⑥ 転換:ストレスをどのように良いことに捉え、転換していけるか

①~⑥は独立した要素ではなく、全体で「ストレス循環」を織りなしています。
具体的には「仕事の量や質の負担(①容量、②処理)を③感知し、④経験を積み重ねることで上手くストレスを⑤回避し、自ら良い方向へと⑥転換していけるか」というもので、ストレス循環を上手く回せる人は、ストレス耐性が高いといえます。

ストレスに強い人と弱い人の特徴は

「自分はストレスに強い」と思っていても、ちょっとしたことで心が折れてしまったりやる気を失ってしまったりすることもあるかもしれません。
繁忙期による業務量の増加、人員不足など、ストレス要因は多種多様ではありますが、実際に聞かれる声で最も多いのは「職場での対人関係」です。
対人関係でのストレスに強い人と弱い人の特徴とその結果から推測できることをまとめていきましょう。

<ストレスに強い人の特徴>
・ 失敗したことを経験と捉えられる人:結果だけに捉われず、経験からの学びをプラスに考えられることで気づかないうちに成功率を上げられる
・ プライベートを充実させられる人:自分の時間を有意義に過ごすことで心と身体の疲れをリセットし、仕事への活力にできる

このようにストレス状態が低く、仕事に対してのワーク・エンゲイジメント(やる気)が高い人をドクタートラストでは、独自の指標を用いて「STELLA」と名付けています。

<ストレスに弱い人の特徴>
・ 人の顔色を伺いすぎてしまう人:日本人特有の謙虚すぎる部分であり、人にどう思われるかが気になる、人と自分を比較してしまうため心が疲れてしまい、食欲不振や睡眠障害になりやすくなる
・ 環境に流されやすい人:周りの人の感情や状況に敏感に反応し、相手の負のオーラにひっぱられてしまい自然とネガティブ思考になってしまう
・ 自分一人で頑張りすぎてしまう人:業務が手一杯にもかかわらず頼まれた仕事を断れない、人に相談できずに一人で悩みを抱え込んでしまい、メンタルヘルス不調に陥ってしまう

あなたの今のメンタルヘルス状況はどちらに当てはまりますか。
業務の状況やチーム内の人間関係などによってストレス度合は変化しますが、身体や心に支障をきたす前の早期改善が求められます。

早期改善のために知っておきたい「ストレス要因」

また、問題を解決するためには、ストレスの要因を把握することが重要です。
このストレス要因は大きく分けて4種類あります。

① 心理的ストレス要因:不安や怒り、焦り等の感情的なもの
② 身体的ストレス要因:睡眠不足や食欲不振等の肉体的なもの
③ 環境的ストレス要因:気候や周囲の状況等の環境によるもの
④ 社会的ストレス要因:職場での対人関係や家庭環境等の社会や人間関係によるもの
<参考>東京都福祉保健局「ストレスとの上手な付き合い方(PDF)」

下図は、株式会社ドクタートラストが実施した2020年度ストレスチェック受検者240,275人のデータを集計、分析したものです。
この分析では、ストレスチェックの設問80項目を上記4つのストレス要因に分類、各ストレス要因の不良回答率を加重平均で導出しました。

出所:株式会社ドクタートラストが実施した2020年度ストレスチェック受検者240,275人のデータより

この結果から、心理的、社会的ストレス要因の割合が多いことがわかります。
分析結果を細かくみると「仕事の量・質についての問題」と「職場の人間関係やコミュニケーションエラー」が特に不良傾向にあり、コロナ禍による仕事の増減、テレワーク推進や感染防止のためのWEB上でのやり取りが増えていることが大きな原因といえるかもしれません。
自身のストレス状態を把握できていないと、仕事へのやる気低下や不安感、不眠などからメンタルヘルス不調に陥ってしまい、慢性化すると最悪の場合、命に関わる重大な問題に発展しかねません。

さらに、自身のストレス要因が把握できたら「対処する方法は知っているか?」「対処はすぐに必要か?」を判断し、管理、対処することが重要です。
対処方法は、3パターンが挙げられます。

a) 問題の解決を目指し、改善策や施策を実践してストレス軽減に向けたアプローチ
例:上司に相談して業務割振りを変えてもらう、業務効率を上げるために部署内で会議を行う、相談窓口を設置、セルフケア・管理職向けのラインケア研修を行う、ストレスチェックで定期的に効果測定を行う
b) ストレス要因から生じた感情をコントロールすることでストレス要因を緩和していくアプローチ
例:新しい仕事を与えられた場合、「会社から信頼や期待をされている」という責任感の意識へと転換する
c)ストレス発散をして、心身の疲れを取り除きストレス反応の根本にアプローチ
例:運動や睡眠、旅行、マインドフルネスなどでプライベート面を充実させる

さいごに~職場内にSTELLAを増やそう~

ストレスを軽減していくためには会社側の取り組みに加えて、自身のストレス状況をマイナスからプラスに転換できる「STELLA人材」が欠かせません。
前述のとおり「STELLA人材」とは、ストレス状態が低く、仕事に対してのワーク・エンゲイジメント(やる気)が高い人を指します。
こういった人材が職場に増えれば、周囲の人たちも、自ずと問題や課題に気づくことができるようになってくるでしょう。
また、「STELLA人材」の活用により、職場でのコミュニケーション増加や業務効率化、結果的に生産性の向上につながります。

私たちが生活をしていく中で、仕事とストレスは切っても切り離すことはできません。
ストレスが蓄積されることで心が押し潰されてしまい、本来の実力を上手く発揮できないのは、もったいないことです。
自身のストレス状況を把握し、「STELLA人材の力を借りつつ適切な対処を実践し、良い方向へと転換していくことがストレスフリーへの近道になるでしょう。

DL


<参考>
・ こころの耳「働く人のメンタルヘルス」
・ 山田冨美雄「心理的ストレスの評価とそのマネジメント」(「バイオメカニズム学会誌」1997年21巻2号)
・ 東京都福祉保健局「ストレスとの上手な付き合い方(PDF)」

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