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新型コロナの仕事、生活への影響は?業種ごとのストレス実態

新型コロナの仕事、生活への影響は?業種ごとのストレス実態

新型コロナウイルス流行から早2年。
皆さんの生活スタイルや仕事のやり方はどれくらい変化しましたか?
「まったく変化がなかった」と答える人はほとんどいないでしょう。
本記事では、ストレスチェックの集団分析結果をもとに、新型コロナによる業種ごとのストレス度合いの実態をわかりやすくご紹介します。

コロナ禍の仕事と生活の変化

東京都によれば、都内でのテレワーク実施率は、新型コロナウイルスが流行り始めた2020年3月の24.0%でしたが、2022年の3月には62.5%にまで増加しています。

また、内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査」によると、パソコンやスマートフォン上での仕事を主とする情報通信業や金融・保険・不動産業のテレワーク実施率が高く、現場での仕事を主とする医療・福祉や保育関係が低いことがわかります。

コロナ禍でのストレス要因をもたらす業種ごとの特徴とは

コロナ禍以降、業種ごとにどのような変化が起きたのでしょうか。
以下は、独立行政法人労働政策研究・研修機構が2021年10月に公表した「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査」のうち、「勤務先の特徴別に見た就労面で行われている対応状況」です。

この調査結果からは、以下のような背景が推察できます。

<推察:コロナ禍の業種別背景>
① 「在宅勤務・テレワークの実施」
医療・福祉続いて飲食店・宿泊業の数値が低い:コロナ禍で世間一般がテレワークを推奨しているなか、現場で働くことをメインとし、テレワークをしたくてもできない
② 「仕事の削減」
飲食店・宿泊業や運輸業の数値が高く、医療・福祉の数値が低い:飲食店は、コロナ渦での業績悪化による正社員の解雇や自らの退職。宿泊業は、感染防止のためステイホームが謳われる中での旅行の予約キャンセル増加で当面は本格的な需要の回復は見込みづらい。運輸業は、輸送人員がコロナ拡大時に96%減、便数は77%減とリーマンショックや東日本大震災ときよりも業績が悪化。医療・福祉業は、働く人たちの睡眠不足や仕事量が急激に増えた、医療従事者の人材・医療物資の不足に悩まされストレス負荷に影響を及ぼしている
③「休業や休業日数の拡大」「営業時間の短縮」「一時帰休」
飲食店・宿泊業や運輸業の数値が高く、医療・福祉の数値が低い:延防止措置による何回もの営業時短要請は、協力支援金があったとしても普段から売り上げの高い企業にとってはマイナスにしかならない

ストレスチェック結果からわかる業種ごとの健康リスク

ドクタートラストでは、2020年度にドクタートラストでストレスチェックを受検した方のうち、240,275人の結果にもとづき、仕事のストレス要因から起こり得る疾病休業などの健康問題のリスク「健康リスク」を業種別に算出しています。
「健康リスク」とは」、「仕事の負担・コントロール」リスク、および「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクという 2つの指標をかけ合わせた数値です。
以下では、「健康リスク」の算出根拠となる①仕事の負担リスク、②仕事のコントロールリスク、③上司とのコミュニケーションリスク、④同僚とのコミュニケーションリスクを業種別にみていきます。
※各表は、上位のある業種ほど「リスクが高い」ことを意味します。

① 仕事の負担リスク

仕事の負担リスクがもっとも高かった業種は「宿泊業・飲食サービス業」でした。
また、「医療・福祉」なども上位に見られます。
主に身体多くを使い、大量のタスクをこなす業種が上位にある推測できます。

② 仕事のコントロールリスク

仕事のコントロールリスクが最も高かった業種は「運輸業・郵便業」、次いで「医療・福祉」でした。
時間や順番が決められており、自分のペースや方法で仕事ができない業種が上位であると推測できます。

③ 上司とのコミュニケーションリスク、④ 同僚とのコミュニケーションリスク

上司とのコミュニケーションリスク、同僚とのコミュニケーションリスクが最も高かった業種は「運輸業・郵便業」でした。
黙々と1人で仕事をすることで業務が属人化しやすく、社内情報が共有されづらい業種が上位に見受けられると推測できます。
また、コミュニケーション不足から上司が部下の仕事状況を把握しにくく、部下も上司に適正評価されているか不信感を抱きやすくなる、困った際に同僚からの協力が得られず負の影響をもたらすかもしれません。

⑤ 総合健康リスク

ここまでご紹介してきた「仕事の負担・コントロール」リスク、および「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクという 2つの指標をかけ合わせた数値が、「健康リスク」:です。
健康リスクが高い業種は「運輸業、郵便業」と「医療、福祉」であり、運輸業、郵便業は上司・同僚とのコミュニケーション、医療、福祉は仕事の量的負担・コントロールが原因でストレスに大きく影響をもたらしているとわかります。

さいごに

コロナ禍により、仕事量および収入が減ったことで将来の不安につながる業種、仕事量が増えたことで健康面への不安につながる業種の二極化が進んでいるといえるでしょう。
一方、ストレスチェックの分析結果から算出した「健康リスク」によれば、どちらの業種であってもストレス負荷は同じくらいかかっていることがわかりました。
かつて賑わっていたお店が閉店して街の雰囲気が変わっていたり、マスク生活が日常化したことで、逆にマスクをしていないと落ち着かなくなったり、コロナ禍による変化はさまざまあります。
コロナ禍による業種別のストレスの度合いの偏りが出ないように、今後さらに原因の見直し・改善をしていく必要があるでしょう。

DL


<参考>
・ 東京都「テレワーク実施率調査結果をお知らせします!3月の調査結果」
・ 内閣府「第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
・ 独立行政法人労働政策研究・研修機構「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査」
・ 株式会社ドクタートラスト「健康リスクの高い業種は「運輸業、郵便業」、「医療、福祉」~ストレスチェック全業種データ分析レポート~」

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