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介護職はストレスチェックで心のケアをしよう!導入の手順について

内閣府の発表によると、日本は超少子高齢社会に突入しており、高齢化率(総人口に占める65歳以上の高齢者の割合)は28.9%にのぼります。
また、2018年から後期高齢者(75歳以上)人口が前期高齢者(65~74歳)人口を上回っており、今後もこの状況が続けば、およそ45年後には高齢化率は38%を超え、4人に1人が後期高齢者になるとの見通しを内閣府は示しています。
このような超高齢化による介護ニーズの増加、介護職の慢性的な人材不足にともなう職場環境悪化やストレスの増大は無視できない問題です。
今回は、介護職のストレス要因から、ストレスチェックの有効性についてお伝えします。

介護職のストレス要因トップは〇〇だ!

介護職は、前述の介護ニーズ増加による慢性的な人材不足に加えて、対人援助職であるため精神的負担が大きく、ストレスが溜まりやすい職種と言われています。
身体的負担も大きく、ストレスによる心身の不調や人間関係の悪化、離職、さらなる人材不足という負の連鎖に陥っている職場も多いのではないでしょうか。

介護職がどのような点にストレスを感じているのか、具体的に見ていきましょう。
以下のデータによると、介護職の労働条件の悩み1位は「人手不足」で、次いで「賃金が低い」「身体的負担」と続き、前年と同様の順位でした。
6位の「健康面(感染症、怪我)の不安がある」が前年よりも2倍近くの増加となっており、新型コロナウイルス感染症の影響を介護職も大きく受けている事実が示唆されています。

参考:介護労働安定センター「令和2年度 介護労働実態調査結果」

では、例年ストレス要因のトップにある人手不足の理由はなんでしょう。
以下のデータによると、人手不足の理由として、「採用が困難」という回答が群を抜いていました。
また、採用が困難である原因については、「他産業に比べて労働条件が良くない」「同業他社との人材獲得競争が激しい」という回答が多いことから、介護職を必要とする施設や企業等はいずれも、同様の問題を抱えていると言えるでしょう。

不足している理由(複数回答)
「不足」回答事業所数
採用が困難である
離職率が高い
(定着率が高い)
事業拡大によって
必要人数が増大した
その他
無回答
件数5,0874,405924518215129
割合(%)100.086.618.210.24.22.5
採用が困難である原因(複数回答)
「採用が困難である」
回答事業所数
他産業に比べて、
労働環境等が良くない
同業他社との、
人材獲得競争が激しい
景気が良いため、
介護業界に人材が集まらない
 

その他
 

わからない
 

無回答
件数4,4052,3642,33884284226542
割合(%)100.053.753.119.119.16.01.0

参考:介護労働安定センター「令和2年度 介護労働実態調査結果」

介護職の人材不足解消にはストレスチェックが有効?

メンタルヘルス不調の予防には、職場環境の改善をはじめ、個人のリテラシー向上やセルフケア、周囲のサポートが不可欠であり、これらの要素を数値化・視覚化できるツールがストレスチェックです。
ストレスチェックを実施すると、日頃の業務や職場内でのコミュニケーションだけでは把握することのできないストレス要因を把握できます。

ストレスチェックの目的

ひとつは、労働者が自身のストレス状況を知り、セルフケアに役立てることです。健康診断と同様です。
加えて、集団分析をおこない集団のストレス要因を把握し、職場環境の改善に役立てる目的もあります。

ストレスチェックの効果

ストレスチェックを実施すると以下の効果が期待できます。

・ストレスチェックの結果に基づき、専門家と相談する機会が得られる
・集団分析により、集団(部署やグループ、職種、性別、年代、役職など)におけるストレス要因の特徴を把握できる
・集団分析結果をもとに職場環境改善の取り組みに役立てられる
・集団分析結果をもとに管理者と労働者が対話することで、より具体的なストレス要因や悩みを知るきっかけが得られる

介護職場にストレスチェック制度を導入する手順

ストレスチェック制度の導入の手順は以下のとおりです。

ストレスチェック制度の体制整備

まずは実施者と実施事務従事者を決めます。
実施者になれるのは、医師、保健師、所定の研修を修了した看護師、精神保健福祉士、公認心理士だけです。

衛生委員会での審議、社内規程の整備

実施するためには、実施日や実施方法、内容、個人情報の保護方針などの事項を社内で決定する必要があります。
衛生委員会には産業医や産業保健師の出席が望ましいでしょう。

事業者からの方針表明

実施や受検に関する意図や目的、取り扱い方法などをしっかりと説明し、方針を表明しましょう。
なぜストレスチェックを実施するのかを社内に周知することは、その効果を最大限に引き出すうえで必要不可欠です。

ストレスチェックの実施

実際にストレスチェックを実施しましょう。
受検自体は任意ですが、労働者自身のため職場環境改善のためには高い受検率が必要です。

産業医の面接指導

ストレスチェックの結果、高ストレスが認められた者または希望者は医師の面談を受けられます。
対面での面談以外にも、最近ではオンライン面談も多くなってきています

職場環境改善や就業上の措置

これがストレスチェックを実施する最大の目的です!
より良い職場環境に向けて、労働者との対話や産業医による職場巡回などの行動が求められます。

ストレスチェック導入の詳しい手順

ストレスチェックの導入について、詳細は以下のリンクをご覧ください。

厚生労働省「ストレスチェック制度 導入マニュアル」
さんぽみち「ストレスチェックを会社に導入!従業員がストレスチェックに引っかかったら?」

ストレスチェック実施は事業者の義務!

労働者(アルバイト・パート含む)が50人以上の施設や企業は、ストレスチェックの実施が事業者に義務づけられています。
ただし、労働者が50人未満の施設や企業が、「うちは義務じゃないから必要ないだろう!」と考えるのは早合点かもしれません。なぜなら、健康診断と同様に、心のチェックは企業の規模にかかわらず労働者がいきいきと健康に働き続けるために必要だからです。
ストレスチェックでは多数のストレス要因を把握し、可視化できるため、規模にかかわらずどの施設や企業でも一定の効果が見込めるでしょう。
介護ニーズが増大し続けている今、ストレスチェックの実施で介護職の慢性的な人材不足の解消が期待されています。
DL


<参考>
内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」
総務省統計局「人口推計 平成30年3月報」

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