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派遣社員のストレスチェック実施義務は派遣元?それとも派遣先?

ストレスチェックは50人以上いる事業場での導入が義務づけられています。
しかし、派遣社員が在籍する職場では「50人の中に派遣社員の人数は含めるのか」「ストレスチェック実施義務は派遣元企業と派遣先企業のどちらにあるのか」といった、ストレスチェックにおける派遣社員の取り扱いに迷う企業担当者さまも多いのではないでしょうか。
今回は、ストレスチェックにおける派遣社員の取り扱いから注意すべき点について解説します。

ストレスチェックの目的と内容は

労働安全衛生法にて実施が義務づけられているストレスチェックは、事業者が労働者のストレスを把握するたけでなく、労働者自身のストレスへの気づきを促します。
また、職場環境改善につなげるなど、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止すること(一次予防)が主な目的です。
具体的なストレスチェックの内容としては「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3領域が含まれた57~80項目の設問にマークシートやWeb上で回答してもらい、一人ひとり詳しく分析していきます。

ストレスチェックは常時使用する労働者が50人以上いる事業場での実施が義務づけられており、派遣社員及びパートタイマー、アルバイトも実施義務の人数に含まれます。
たとえば、正社員45名、派遣社員2名、パートタイマー5名の企業は、常時使用する労働者が52名となり、ストレスチェックを実施しなくてはいけません。
継続して雇用されている限り実施義務があるとされるため、契約期間や労働状況によって判断する必要があります。

派遣労働者のストレスチェック実施義務は派遣元事業者にある

派遣社員は派遣元企業が雇用しているため、ストレスチェックと面接指導は派遣元企業が実施しなくてはいけません。
また、ストレスチェック実施後、高ストレス者と判定された労働者への面接指導も同様に派遣元企業が行う必要があります。
その際、派遣元企業は労働者の詳細な労働時間や勤務状況、職場環境を把握するのが難しく、適切な面接指導を行うためにも、派遣先企業に対し必要な情報の共有を依頼しなくてはいけません。
情報を提供するにあたって、労働者本人の同意が必要な点に留意してください。
面接指導の結果により何かしらの就業上の措置を行う場合は、派遣元企業と派遣先企業の連携と個人情報の慎重な取り扱いが重要です。

派遣社員は正社員とは違い、派遣元企業で面接指導を実施します。
実際に働く現場と離れた場所で相談できるため、面接指導申出に対する抵抗感が薄れる側面もあるでしょう。

派遣社員の集団分析は派遣先が実施することが望ましい

前述のとおりストレスチェックと面接指導は派遣元企業に実施義務がありますが、集団分析は派遣先企業での実施が望ましいとされています。
集団分析はストレスチェックの結果から、職場単位で傾向や課題を分析して職場環境改善につなげることが目的です。
派遣社員の場合、それぞれ別の職場に派遣されているため同一の職場で集計をすることができず、仮に派遣元企業で集団分析結果を出したとしても、派遣社員にとっての職場はあくまで派遣先企業なので、集団分析の意味がほとんどありません。
そのため、集団分析を行う際は、派遣先企業で派遣社員を集団の一員として分析対象に含める必要があります。

雇用区分ごとに分析してみると、職場の派遣社員の抱えている課題や特性への新たな気づきがあるかもしれません。
集団分析結果には職場環境改善への重要な情報が散りばめられているので是非とも有効活用していきましょう。

派遣社員のストレスチェックを行ううえでの注意点

派遣社員の契約は派遣元企業と派遣先企業の2社間での雇用であるため、ストレスチェックの際には、その取り扱いへの知識と理解が必要とされます。
派遣社員のストレスチェックを行ううえで注意すべき点は以下のとおりです。

プライバシーの保護
①派遣元企業・派遣先企業ともに労働者のストレスチェック結果を不正に入手してはならない
②面接指導を実施した医師は、面接指導を行うにあたって知り得た情報(労働時間や勤務状況等)に対して守秘義務を負う
③ストレスチェック結果や面接指導における個人情報を適切に管理する体制を整備しなければならない

不利益な取扱いの禁止
①ストレスチェック結果から派遣元企業が派遣先企業に対して就業上の措置を要請したことを理由として、派遣先企業が労働者の変更を派遣元企業に要請してはならない
②本人同意のもと派遣先企業がストレス状況に関する情報を把握した場合において、これを理由として、医師の意見や本人の実情を考慮せずに配属変更を求めてはならない
③ストレスチェックや面接指導も申し出をしないことを理由とした不利益な取扱いはしてはならない

ストレスチェックの基本的な取り扱いと変わらない部分もありますが、派遣元企業と派遣先企業では配慮すべき部分が異なるので注意しましょう。

まとめ

派遣社員が日々のストレスを溜めずにいきいきと働くことは、本人のみならず派遣元企業と派遣先企業の両方にとって有益です。
しかし、私たちが働いていくうえで、日々何かしらのストレスに直面することは避けられません。
そのなかで私たちはストレスチェック制度によって年に一度、自身や組織のストレス状況や職場環境の課題を発見する機会が与えられています。
派遣社員に関しては、ストレスチェックと産業医面談の実施、面談後の派遣先の変更などは派遣元企業が行い、集団分析や就業上の措置については派遣先企業が積極的に行う必要があります。
派遣社員が安心してストレスチェックを受けられる環境を作るためには、派遣元企業と派遣先企業の適切な連携が不可欠でしょう。

DL

【参考文献】
厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」

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