退職後のお金は、条件を満たすかどうかだけでは決まりません。『順番をまちがえると受け取れなくなる』のが、3つの制度に共通する性質です。
編集部辞めたい気持ちと、辞めたあとの生活費への不安。
その両方のあいだで判断が止まっている方に向けたページです。
たとえば、退職日に出勤すると、退職後も傷病手当金を受け取る条件から外れます。
知識が足りなかったからではありません。1日の行動で結果が変わります。
対象は、傷病手当金・失業保険・受給期間の延長の3つです。



質問は8問、時間は約2分です。
入力した内容は送信も保存もされません。端末の中だけで計算しています。
結果は目安です。実際の可否は、健康保険とハローワークの窓口が判断します。
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退職の前後で受け取れる可能性のある3つの制度
退職の前後で関係してくる制度は、傷病手当金・失業保険・受給期間の延長の3つです。
窓口も条件も別々です。受け取れる時期も、原則として重なりません。
傷病手当金(健康保険)
傷病手当金は、病気やけがで働けないあいだの生活を支えるお金です。
支払うのは会社ではなく、加入している健康保険の保険者です。



辞めたら終わり、と受け取られやすい制度です。
条件を満たしていれば、退職後も受け取れます。
保険者とは、健康保険を運営する協会けんぽや健康保険組合のことです。
1日あたりの額は、標準報酬月額の平均をもとに決まります。
標準報酬月額は、保険料を計算するために給与をランク分けした金額です。平均額を30で割り、その3分の2が1日あたりの目安になります。
受け取れる期間は、支給を始めた日から通算して1年6か月までです。
途中で働いた期間があれば、その分は日数に数えません。
退職後も受け取り続けるには、4つの条件をすべて満たす必要があります。
- 退職日までに、健康保険の被保険者だった期間が続けて1年以上あること
- 退職日の時点で、傷病手当金を受けているか、受けられる状態であること
- 退職日に出勤していないこと
- 退職後も同じ病気やけがで働けない状態が続いていること
条件の詳しい説明は全国健康保険協会(協会けんぽ)の傷病手当金にあります。
心身の不調が続くときは、かかりつけ医や産業医にご相談ください。制度の判断より先に、体調の評価が必要です。
あわせて心の不調・働き方の悩みに関する記事一覧もご覧ください。
失業保険(雇用保険の基本手当)
失業保険は、次の仕事を探しているあいだの生活を支えるお金です。
正式な名前は、雇用保険の基本手当です。



働ける状態にあることが前提の制度です。
療養が必要なあいだは、対象になりません。
受け取るには、雇用保険に入っていた期間が原則として通算12か月以上必要です。
会社側の事情による離職なら、6か月以上に条件が緩みます。
何日分受け取れるかは、年齢・雇用保険の加入期間・離職理由の3つで決まります。総額は、ここで大きく変わります。
会社側の事情による離職は、特定受給資格者や特定理由離職者として扱われます。
条件がゆるくなり、日数も増えます。日数はハローワークインターネットサービスの所定給付日数にあります。
2025年4月から、自己都合で辞めた場合の給付制限は原則1か月になりました。以前より、受け取り始めるまでの期間は短くなっています。
手続きは、会社から届く離職票をハローワークに提出するところから始まります。
求職の申し込みのあと、まず7日間の待期があります。給付制限が進むのは待期のあとです。
離職の回数などで、給付制限の扱いが変わる場合があります。自分の区分はハローワークインターネットサービスの基本手当で確認してください。
受給期間の延長
受給期間とは、失業保険を受け取れる期限のことです。
原則は、離職した日の翌日から1年間です。
この1年を過ぎると、所定給付日数が残っていても受け取れなくなります。
病気やけがで30日以上働けないときは、この期限を先送りできます。
先送りできるのは最長3年、合計で最長4年までです。
先送りしても、受け取れる日数そのものは増えません。増えるのは、受け取る時期の選択肢です。
体調が戻ってから求職活動を始める、という順番が取れます。
この手続きの有無で、最終的に受け取れる総額が変わります。



まず療養したい、と考えている方には、金額に直結する手続きです。
申請の期限には決まりがあります。厚生労働省の受給期間延長の申請期限に関する案内で確認できます。
順番をまちがえると、受け取れなくなること
受け取れなくなる原因は、条件を知らなかったことだけではありません。
手続きをする順番と時期でも、結果は変わります。



あとからさかのぼって直せない手続きが、いくつもあります。
先に順番を確認しておくと、選べる幅が残ります。
つまずきが起きやすいのは、次の4つです。
- 退職日に出勤してしまい、資格喪失後の継続給付の条件から外れる
- 働けない状態が続いているのに、受給期間の延長を申請しないまま1年が過ぎる
- 離職票が届いたあとも求職の申し込みを先送りして、待期期間の開始が遅れる
- 傷病手当金と失業保険を同時に受け取ろうとして、どちらの手続きも止まる
1つ目は、1日の出勤で結果が変わる例です。
退職日を休んでおけば、資格喪失後の継続給付の条件を満たせます。
2つ目と3つ目は、時間が過ぎるほど取り返しがきかなくなる型です。期限そのものが、受け取れる総額を決めます。
2つ目は、働けない状態そのものが延長の理由になる点です。
療養が必要なあいだに手続きをしておけば、期限を先に延ばせます。



申請しないまま1年が過ぎると、日数が残っていても受け取れません。
体調が理由なら、先に延長を検討してください。
3つ目は、離職票が届いてからの動き出しの速さです。
待期期間も給付制限も、求職の申し込みをした日から進みます。
申し込みが遅れた分だけ、受け取り始める時期も後ろにずれます。離職票が届かないときは、ハローワークに相談できます。
4つ目は、順番を決めることで解ける場合があります。
療養が先なら受給期間の延長を、求職が先なら求職の申し込みを選びます。
働ける状態にあるにもかかわらず、不調を装って申請することはできません。傷病手当金は、働けないことが前提の制度です。



同時には受け取れません。
ただ、順番を決めれば両方が視野に入る場合があります。
退職前後の手続きは退職トラブル・対処法の記事一覧でも整理しています。
よくある質問
制度の入口でつまずきやすい5つの点をまとめました。
回答は一般的な扱いです。個別の可否は、窓口の判断になります。
- 傷病手当金と失業保険は両方もらえますか
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同時には受け取れません。傷病手当金は働けないこと、失業保険は働ける状態にあることが前提で、要件が両立しないためです。「受給期間の延長」を使えば、順番に受け取れる場合があります。
- 退職してからでも傷病手当金は申請できますか
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退職日の時点で条件を満たしていた場合に限り、退職後の申請でも受け取れる可能性があります。退職後に初めて不調になった場合は対象外です。条件は「傷病手当金(健康保険)」で整理しています。
- このチェックの結果は、そのまま受け取れる金額ですか
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いいえ、概算の目安です。実際の可否と金額は、健康保険の保険者とハローワークが判断します。標準報酬月額や離職理由の区分によって、結果は変わります。
- 入力した内容は保存されますか
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保存も送信もされません。計算は、ご利用の端末の中だけで行っています。そのため、結果はページを閉じると残りません。記録しておきたい場合は、画面を控えてから閉じてください。
- 申請は自分でもできますか
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できます。傷病手当金は加入していた健康保険の保険者、失業保険はハローワークが窓口です。書類の準備や記入が難しいと感じる場合は、有料の申請サポートを使う選択肢もあります。



制度の一般的な説明と、自分の場合の可否は別ものです。
迷う点は、窓口に聞くのがいちばん早く済みます。
ここに当てはまらない場合は、加入していた健康保険とハローワークに確認してください。
参考にした一次情報
このページの制度に関する記述は、次の5つの公的情報にもとづいています。
制度は改正されます。最新の内容は、各機関の案内で確認してください。
このページは一般的な情報提供であり、個別の医療・法務判断を代替するものではありません。
